17日目
- 筆者
- 2022年5月12日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年9月29日
今日は色々と母の面倒をみたので、あまり奈津子とゆっくり話が出来なかった。
奈津子は夜はまあまあ眠れたらしい。ぐっすりではなかったらしいが眠れたのは嬉しい。
朝はやはり、左目が少し腫れている。また一重。でも、だいぶん改善されてはいる。この左右差はなぜ起きるのか。体全体の左右で血流量が違うとかそんなことなのだろうか。随意的に動かしている筋肉の運動量はもちろん現状では差がある。筋肉を緊張・弛緩させて動く血流ももちろんあるのだろう。しかしそれが腫れている理由になるのか。梗塞箇所は左目の眼底のその奥辺り。脳内の圧力とかで眼底が押され瞼が腫れるとかそんなこともないのだろう。
午前中、割と暇にしていたらしい。退屈だと言っていた。上体を起こしてカメラ越しにみる奈津子は、遠めに見るとほぼ以前の姿のように見えた。細かいところは違うのだが、姿勢とか所作がだいぶん良くなっていた。
奈津子に別の生命保険について気になっているといわれ、契約状況を確認したところ、入院日額で3,000円貰えることが分かった。これで入院1日あたり13,000円貰えることが判明した。
4月分の支払いをした。5日分で約10万。奈津子と5月の一ヶ月支払う金額の想定について頭の中で簡単に計算しあって、だいたいこれくらいだねという話をした。
奈津子は精力的にリハビリに取り組んでいる。毎日、リハビリを頑張ることがやりがいになっているようだ。
ほかの用事で私は母を車に乗せ病院の近くに来ていた。奈津子がリハビリ室で3時ごろから歩行訓練すると聞いていたので、窓越しに外から見えたらいいなと思い少し寄り道をした。
雨が降っていたが、リハビリ室の窓から5、6メートルのところに自転車小屋がありそこでリハビリ室の中を覗き込んだ。中の人の上半身しか見えない。歩行訓練する手すりが辛うじて見える。奈津子の姿はないが、理学療法士らしき3人の女性が、窓際で何か作業しているのが見えた。きっと奈津子はそこで寝ているはずだと直感した。
しばらくすると、その女性が私に気が付き、ポポちゃんを私に見えるように掲げてくれた。私はうなずき応え、奈津子の関係者ですというアピールをした。中から、もう少し待っていると歩行訓練が見えると言われたのでしばらく待った。
ほどなく奈津子は上体を起こし、私に向いて手を振ってくれた。そのあと、腰を掛け、両足で立つ・座るを繰り返す訓練が始まった。参観日の親のような気持ちでその様子を見ていた。
すると、傍から見ていたら私は不審に思われたのだろう、職質の様に病院職員の名札を付けた男性に声をかけられた。「家族がリハビリを受けていてその様子を観ているんです。」と言ったら理解してもらえた。顔は笑っているが眼の奥が笑っていないのが少し怖い。確かに不審者風なのは認めるが、面会を我慢しているのだからこれくらい許してほしいところだ。
視線を戻すと先ほどの訓練は終わり、歩行訓練が始まりそうになっていた。
死角になり直接見えていないが、手すりのところに車いすで向かい、装具をつけてもらって、手すりにつかまり歩き出したことが分かる。かなり重心は左にあり、右手は使わない。辛うじて手すりを持つ左手と右足で体を支え、左足を蹴りだし、重心を左足に移し、右足を引き寄せる。それを繰り返して前進しているのが分かる。昨夜通話で聞いていた通りの歩き方だった。
少ししか見ることができなかったが、奈津子の晩御飯を作る時間が無くなるので帰ることにした。でも、一度その表情を見ることが出来てよかった。
自宅に帰りいろいろ作業をしていると、リハビリの終わった奈津子からビデオ通話の着信があった。顔つきが少し爽やかに感じる。左目の瞼が腫れていないことに気が付く。二重になっている。少なくともお昼ご飯のあとくらいの時間帯には腫れていたはず。左右差は謎だが、左目だけで考えると上体や頭を下げている時間が長い分、頭に血が行きやすくなっていて瞼がむくんでいる。体を起こして運動するとそれが適正化されて血が下がり、むくみが解消されるということなのかもしれない。リハビリが進み体を起こして動かすことが増えていけば、この瞼の腫れも解消されるのかもしれない。
夜「程よく疲れていてよく眠れるかもしれない」と奈津子は言っていた。
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リハビリ動画
奈津子の朝昼晩ご飯
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